第14章 超洗剤クリスマス【?ルート】
私はある一人を指差した。
手を伸ばし、自分が選んだ『チョロ松くん』に思い切って抱きつこうとしたその瞬間。
「ちょっと! 愛菜! 何やってんのよ!」
伸ばした手を掴まれた。
「え? おそ子!?」
私は驚いて現れた女性を見つめた。
「えー、愛菜、水くさいじゃん! こんなところで男選んでる暇あったら、私たちに付き合えばいいのに!」
おそ子の後ろから現れるカラ子。
「ぐふふ〜シコ松が6人! これはこれでありかも〜! こっちのシコ松をアレにして、あっちのシコ松がコレで、さらに向こうのシコ松が総受けで……」
何やら妄想に忙しそうなチョロ子。
「はぁ、全く。下らない男たちと付き合うより、ソウルメイトの私たちと過ごした方があなたのためにいいと思うわよ」
髪をかきあげ、一子まで現れる。
「あはー! 愛菜がいないと、十四子淋しい〜! みんなで一緒に飲もうよー!」
十四子には腕を引っ張られる。
「みんな……来てくれたの……」
私は涙を浮かべ、感動に震えた。
「当たり前でしょ! だって、私たち仲間だもん!」
トド子が人差し指を可愛く立て、にっこりと笑う。
私は頷いた。
「うん! 今日はデートはやめた! やっぱり男より女友達だよね! 今からみんなで恋話しながら飲み明かそ!」
「「「「「「ええーーーーっ!?」」」」」」
チョロ松くんたち6人が同時に叫ぶ。
「そんなわけで、愛菜は私たちが連れて行くわよ?」
おそ子が私の手を取る。
「よし、じゃあ、女7人、今から飲むぞ〜!」
私が右手を上げて宣言すると、
「「「「「「おー!」」」」」」
元気よく上がる6本の手。
恋人は大切。でも、女友達だって大切。
たまには女同士、本音で語り合うクリスマスもいいよね?
呆然と立ち尽くす6人のシコ松くんたちを残し、私たちは雪が降り始めた夜の街へと繰り出した――。
それでは、楽しいクリスマスを!
Enjoy Christmas!
―END―