第4章 夏
「ねぇ見て!校門の所!
すっごくかっこいい人がいるよ!」
「ほんとだ!しかも金髪だよ!
不良なのかな…?
でもすごくかっこいいよね」
「しかも色白で日本人じゃないみたい!
背も高いんじゃない?
あんな高校生見たことないよ!」
窓の外を見て女子は黄色い声を上げる
…もしや
私の鞄に手をかけていた男子から
自分の鞄を取り返して
急いで教室を出た
「えっ!?待って千夏!」
ごめんね待つことなんて出来ない
私は学校では必要最低限のことしか話さない
だってあなた達に興味がないから
でも、そうじゃない事があるなら
逆に興味がある人となら
好きな人なら
一緒に居たいと思うでしょ?
靴を履き替えて校舎を出る
初夏の日差しが眩しい
そして、校門前の人の元へ
「千夏… 来てくれたんだ
どうしてわかったの?」
小さい時は私と背丈が変わらなかったのに
いつの間にか私よりうんと高くなっている
白い肌に綺麗な金髪をなびかせて
初夏の日差しよりも眩しい笑顔
「…会いたかったよ、狐珀…!」