第2章 烏
俺ら妖怪には
古から伝わる則(のり)がある
それは
〝『人』と触れ合ってはいけない〟
俺が生まれる前から
このような則があった
何故そうしなければいけないのか
最初はわからなかった
しかし、『狐』が統の平安時代
その時に俺は理解できた
『狐』が統の平安時代は
則を無視して『人』と接した
『人』は巻物に不思議な出来事
『狐』と出会った事を書き留めて
今となっては、
貴重な資料として残っている
平安時代に書かれた空想の物語として
『人』の世はこれで収まったが
妖怪の世はそうはいかなかった
俺ら妖怪は『人』の世でなはく
妖怪の世で生まれて
衣食住をしている
『人』の世は遊びにくる程度
『人』の世 と 妖怪の世
を繋ぐ結界が存在し
妖怪が『人』と触れ合うと
その結界が不安定になる
『狐』が統の平安時代
『人』と触れてしまったから
結界が不安定になり
俺たち妖怪が
皆、『人』の世へ追い出された
その後も結界が不安定になり
暫く妖怪の世へ戻れなかった
だから、則が存在するんだ
『人』と関わるとろくなことが無い