第1章 プロローグ
「まったく、電話でますね」
「ッッどっどうぞックククッ」
「もしもし」
憮然とした顔で溜息をつくと鳴り続ける電話に出る。
すると開口一番に友人に何処にいるんだとと怒鳴られて思わず縮こまる。
「ごっごめんッ」
『まったく!!何やってんのよ!?』
「えっと、りっりんご飴があったから」
『りんご飴買いに行って迷子になるとか有り得ないでしょうか!?』
「ごめんなさいッ!!」
すると隣でリンゴ飴を食べていた男の人は話が聞こえたのか再び噴出す。
「ごめんなさいッ、うっうんすぐ行く」
何度か謝罪を繰り返し電話を切るとそこで盛大な溜息をつく。
そこで漸く声を殺して笑っていた男の人は再び盛大に笑った。
「笑い事じゃないですよ、もぉ」
「君、面白すぎるックク」
「何処がです!?まったく・・・お兄さん私、行きますね友達待っているみたいなので」
「おう、りんご飴ありがとね」
「いえいえ」
そう言ってそのまま優美は男に背を向けて友人と待ち合わせた場所へと急いだ。
「あー・・・腹筋がツル・・・ふふッ、イテテッ・・・あれで大学生?マジか?・・・ヤバイ、ジワジワくるッ」
こんなに笑ったのは何年ぶりだろうか。
否、むしろ短時間にこんなに笑い続けたのなんて初めてかもしれない。
それくらい彼女はバンチがあった。
クルクルと変わる表情。
純粋で素直、だからそれが表情が態度にそのまま出ているそんな感じの子だった。
彼女から貰ったりんご飴は既に芯だけになって袋の中に入っている。
ボーッと夜空を未ながら目を閉じる。
思い出すのは先程の女の子。
自然とまた笑う。
「アーーーッリーダーいたーーー!!」
「声でかいよ!馬鹿ッ!」
聞きなれた声がして視線を向ければこちらに向かって歩いてくる二人の姿。
そっと立ち上がり二人の傍へと近づく。
「マジね、いい歳して迷子とかやめてくださいよ」
「マネージャーさんリーダーの財布預かってるままだって焦ってたよ!」
「うん、忘れてた」
「いや忘れてたじゃないからね?たくッ」
「あれ?財布ないのにリーダーそれどうしたの?」
不意に手に持っていたりんご飴のゴミを指摘される。
すると再び思い出す先程の出来事。
「ぶはっ!」