第2章 始まりの音
「ううん、一人だともっと辛かったから、だから、ありがとうごさいました」
そう言って頭を下げられると少し嬉しくなった。
気の利いた事も言えずただ、傍にいて相槌を打つしか出来なかったと言うのに、それでもそれが嬉しかったと言われると自分の気持ちが伝わっていた気がして嬉しかった。
ヨーヨーを持って向かい合う。
それじゃあっと言って背を向ける彼女。
ちゃんとした名前も知らない女の子。
まだ2回した会った事のない女の子。
おもちゃ箱のように楽しい女の子。
「あのさ!」
「!?」
このまま何もしないでなんて、いられなかった。
自分でもよくわからないけど、それでも。
「連絡先交換しませんか」
「え?」
らしくない事の連続。
だけど、その行動を起こせた自分をのちに称賛したいと思った。