第49章 天女と淫靡な愛をする　―信玄源氏＆女三ノ宮―＜R18＞

「舞様、お呼びでござりますか？」

信玄の側近、惟光が呼ばれて御前へ来ると、舞は近くの女房へ頷き、女房が代わりに答える。

「忙しいところ足労掛けます。信玄様のお誕生日が近いと聞きました。お祝いの宴を開きたいのでその準備を惟光殿に頼みます」

惟光はそれを聞いてどこから舞が知ったのかと驚く。

「いや…はや…どこから信玄様の誕生日の事をお知りになったのか…それはともかく、お祝いの宴をお開きいただけるとの由、この惟光、抜かりなく準備をさせていただきます」

「頼みます」

女房が惟光の言葉を聞き、また代わりに短く返事をし、惟光は先程の疑問を昇らせる。

「ところで舞様におかれましては、信玄様のお誕生日をどのようにお知りになられたのでしょうか？」

御簾の中から扇を開く音がし、舞が女房になにやら耳打ちしている姿がうっすらと見え、答えを聞いた女房がまた答えた。

「宮様が他の者と接しているのに遠慮して、重要な事を知らせてもらえないのは残念です。お誕生日の事は信玄様付きの女房より聞きました」

「さようでございましたか、それならば納得です…では早速準備に取り掛からせて頂きます」

惟光は再度頭を下げて言い、舞の前を下がっていった。

「…私は衛門の督と戯れすぎているのかしら…けして信玄様を無下にしている訳ではないのだけれど、でも衛門の督との間には薫も産まれているし、やはり衛門の督は私には特別な人なの。でも信玄様の愛情もわかっているつもりなのよ？」

その言葉に女房が答える。