戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第47章 駆け引き ―政宗源氏&夕顔―<R18>
暁前に政宗中将は帰って行く。
「…今度はいついらっしゃるのかしら…」
横になったまま気怠げな様子で舞は、帰り支度をする政宗中将に問い掛ける。
「おまえが俺に来て欲しいって言えば、また今宵でも来てもいいがどうする?」
政宗中将は舞の顔を覗き込み、闇の中、蒼い瞳をきらめかせる。
まだ外は暗く、室内も勿論何もない為、お互いの姿はよくわからない。
政宗中将はあんな事を言っているが、実際来るかどうかは政宗中将次第だと舞は理解していた。
他にもたくさんの女人が政宗中将のお越しを待っているだろう、だから、甘い言葉をささやかれても信じてはならない。
「さぁ、どうかしら…貴方はたくさんの女人に待たれているかただもの。そんな事おっしゃっても、実際に私のところにお越しになるかはわかりませんでしょう…?」
「舞」
政宗中将は舞の間近に顔を寄せて、息がかかる程の距離で口を開く。
「俺がそんなに信じられないか?俺がどれだけおまえに溺れているか…まだわかってないようだな」
挑発的な瞳に絡めとられ、舞は息を呑む。
政宗中将はそうして、舞に覆いかぶさり、帰るはずだった家臣達は待ちぼうけを喰らう事になる。
舞も愛の残り香を、一人でゆっくり横たわって味わうつもりだったのが、政宗中将に再度愛されて、それどこではなくなっていた。