戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第42章 戦国源氏のくりすます ―安土城戦国源氏―
女御がたへは女官を通じて、贈り物を伝える。
『帝からの贈り物は、皆様の位を二階ずつ引き上げる』事。
今、正四位下の位の人は二段階上がるので、従三位上となられる。
女人の中でも、位の大切さは知っているのだ。
そして、家臣への贈り物は。
家康は巻き物を取り出し、一番端まで広げず、半分くらいまで広げる。
そこにはどうみても、あみだくじ。
「ここに名前、書いて。この線辿って最後に書いてあるものが、あんたたちへの贈り物」
家康はさらりと説明して、一番端に居る者に筆を回す。
家臣達もこの試みには驚き、しかし、何が出るのかわからない事で興が増し、わいわいしながらそれぞれ名前を記載していった。
「全員、書いた?じゃあ、秀吉さん、何本か線を書き加えて」
「え?俺?」
「そう、何も知らない人が何本か線を足す事で、不平感が無くなるでしょ」
「お、そうか。じゃあ、足すぞ」
秀吉は筆を持って、ささっと線を足す。
そして端から線を辿って、出てきた名称の品をその家臣へ渡していく。
「はい、あんた、これ」
「これ、当たったから」