第31章 八ノ宮大君の巻―佐助ノ君・幸村ノ宮－＜R18＞

「ん…も…う…ヘンに…な…る…」

佐助はつながる部分の水音を汚らしい程たて、腰の動きを激しくし舞が達させると自分も欲を放つ。

「はぁ…すごく…いい…」

佐助は息を大きく吐きながら、舞を上から見下ろして言う。

「舞さん、俺はきみとこうなれて嬉しい。そしてこれからはいつでもきみを愛したい。でもここは遠くて気軽に来られるところではなく、都に家を用意するからそちらに来て欲しい」

舞は火照った肌を冷水を瞬時に浴びたように冷たくし、それに気付いた佐助はからだを舞の隣に横たえ、舞を抱き締める。

「…私たちはここより他を知りませんの…だから京の都が怖い、です…」

佐助は至極当然の事に怖がる舞をますます抱き締めて言った。

「大丈夫、俺を信じて。舞さんも中君も俺がいるから嫌な目には遭わせないよ。それに中君には匂ノ宮…幸村が心を通じたいと望んでいるから、中君にとっても悪い話しじゃない」

でも、と舞は続ける。

「匂ノ宮様は多情なかたと伺っています。そのようなかたをお相手にして、中君が果たして幸せになれるのでしょうか？」

佐助は同意するように頷き、しかし、否定し真実を伝える。

「そのように噂があるのは知っているから、幸村が多情と思われるのも仕方ない。でもそんな事は無いんだ。俺は近くで幸村の事を見ているけれど、彼も俺と同じように真に心を通じあわせられる女人を求めているんだ。幸村の立場に関係なく、心から幸村を好いてくれる女人を。
それが俺にとって舞さんで有り、幸村にとって中君なんだ。だから安心して欲しい。そして二人で俺が用意する家に来て、俺達が来るのを待っていてくれないか？」