第14章 きみの温かさを知る 丸井ブン太
今、私のクラスは授業中。
けれど、あんなつまんない数式なんか右から左に流れて行く。
そんなんで、テスト大丈夫か?って声なんか聞こえない。
気にしないで、私だって点数は落としたくないけど、つまんないんだもん。←
私は丁度、窓側の席だから、外を見る。
ここからの眺め、結構良いんだ。
今は、私の好きな人が外で体育をやっている。
外は、雪が降っていてとても寒そう。
The 冬 って感じ。
でも、私の好きな人の周りだけは、温かそう。
何故だろうか?
あの真っ赤な髪のせい?
それとも、明るく、太陽みたいな笑顔のせい?
なぜ、彼の周りが温かそうなのかは分からない。
私も、彼の近くに居れたら、あの心地良さそうな温かさに包まることが出来るのかな?
何て思いながら、私は彼を見つめる。
フッと彼が上を向き、私と目があったような気がした。
私の顔は一気に熱を持った。
心の中では、あの距離で目が合うハズなんて無いと思っていても、熱は静まらない。
あぁ。彼は凄い。
こんなに距離が離れていても、熱を持たせてしまうのだから。