第1章 バレンタイン・デー 伊武深司
私と、伊武くんと神尾くんは、同じクラス。
席も近くて、よく話している。
神尾『なぁなぁ、もうすぐバレンタインデーだよな!』
『クスッ)そうだね』
神尾『ちゃんは、誰かにあげるのか?』
『ん~、そうだなぁ……』
伊武『そうやって、誰もいなかったら、俺に頂戴!とか言うパターンだろ…神尾の心理なんてバレバレなんだよね。』
『まぁまぁ、私は、まだ決めてないかな(苦笑)』
神尾『そうなのか~、じゃあ、当日の楽しみだな!』
伊武『神尾の奴、絶対に俺は貰えるって、遠回しに言ってて、ウザいんだよなぁ。そうゆう奴って、俺本当に嫌い。』
神尾『……!?ジワッ)』
『か、神尾くんっ!?』
伊武『そーやって、涙目になれば、同情貰えると思ってんの?すんまそん。』
キーンコーンカーンコーン
HR.が、終わり、私は帰宅。
『ハァ……本当に、チョコ、どうしよっかなぁ』
私は、ある人に片想いをしている。
けれど、彼は私になんか、興味はない。多分、杏ちゃんが好きなんだろうなぁ……
こんなことを色々考えていたら、当日になってしまっていた。
『一応、チョコ、作ったけど……』
今回のチョコは、本命一本だ。
つまり、チョコは、1個しか作っていないってこと。
『あっ、あのっ!いぶく……』
ダダダダダダダダ
伊武くーーん!
これ、貰ってーー!
数名の女子が私を弾き飛ばして、伊武くんの元へかけていった。
『いったぁ…あんなに、人気じゃ、渡せないよ……』
神尾『あれ?ちゃん?こんな所でなに座ってんの?』
ど、目線を低くして訪ねてきたのは、神尾くん。
『えっ?あっ!な、なんでもないよ!』
とっさにチョコをバッグにしまおうとした、手を捕まれた。
神尾『これ、伊武にあげるんだろ?』
『えっ?』
神尾『ちゃんの様子を見てたら、分かるよ。伊武の事が、好きなんだろ?』
と、優しく微笑まれた。
『あの、ね、』
神尾『うん』
『さっき、伊武くんを、見つけて、渡そうと思ったんだけど、他の女の子に、弾き飛ばされちゃって(苦笑)』
神尾『そっかぁ…そうだったんだね……』