第9章 歌詠鳥が啼く頃に。(春ルート)
炎天下の中での撮影は長時間におよび、私の身体には異変がおき始めていた。
「流那ちゃん?」
『えっ、あ…はい!』
春さんに声をかけられ咄嗟に立ち上がる。
その瞬間、眩暈のようなものに襲われて私は前のめりに倒れかけた。
「流那!」
咄嗟に手を出して抱き止めてくれた春さんが私の事を珍しく呼び捨てにした。
それだけの事なのになんだか嬉しくて少しだけ思考が止まる。
「大丈夫かい?」
『あ、はい!すみません!ちょっとボーッとしてて…。』
「顔色も悪いようだし…ちょっと休んだ方がいいんじゃない?」
『大丈夫です!今日はもうあと1シーンだけですし帰ってからゆっくり休みます!』
そう言ったものの疲労と暑さによる消耗で本当は具合はかなり悪かった。
「そう?無理はしないでね?」
『はい、ありがとうございます。』
そのすぐ数分後に撮影が再開した。