第8章 雨音とぬくもり。(涙ルート)
朝、目が覚めると窓の外は仄暗くて。
『雨か。』
ポツポツと雨粒が窓に当たっては音をたてていた。
今日の仕事はソロ曲の収録。
歌は好き、幼い頃…私の家がまだ裕福だった頃はよくオペラを観に行ったりとか、家に備え付けてあったスタジオで歌ったりカラオケしたり。
『楽しかったよね。』
ふと口から溢れた。
着替えて、顔を洗って、鏡とにらめっこしながら昔のことを思い出した。
もし今お父さんが生きてたら、私はどんな暮らしをしていただろうか。
『なんて、考えても仕方ないよね。』
そういって洗面所から離れると仕事に行ける準備をしてグラビの共有ルームへ行く。
なんかいい香り…。
『おはよう、葵。
っと、それと夜。』
「おはよう流那ちゃん!よく寝れた?」
『うん、昨日はオフだったし、しっかり寝れたよ。』
「それはよかった。」
と微笑む夜。
『朝御飯作ってるのかと思ったけどこの香りは?』
首を傾げて訪ねる。
「蜂蜜入りの紅茶だよ。
アールグレイって種類の茶葉を使ってるから香りがいいんだー。」
葵はそういうとカップに紅茶を注いでいる。
「今日は流那ちゃんと涙はソロ曲の収録でしょ?だから蜂蜜入りで淹れたらいいんじゃないかなって葵が。
俺は朝御飯を作ってるよ。」
『そうなの?ありがとう葵。』
ニコッと微笑むと葵は照れ臭そうに微笑み返してくれる。
二人とも優しいし偉いなぁ。