第26章 相談
―もともとは茶屋に難癖をつけた狼藉者に、立ち向かったのが葉月。
―ところが葉月が上杉姓を名乗った為、上杉謙信の手のものと思われ、見張りをつけられ様子を見ていた。
―ところが全く上杉と接触は無いし、信長様が興味を持って謁見したら、反対に上杉とは関わりないと言われた。
―葉月さんは茶屋へ行ったら、そこのおばさんが狼藉者に突き飛ばされたのが原因で腰を悪くしちゃってたの。
―それで葉月さんは秀吉さんの許可をもらって手伝いに行く事にしたの。
「そういや自活出来るようになりたい、とも言ってたな」
秀吉が思い起こして言う。
「じかつ?」
舞と政宗が聞く。
「いつまでも俺のところに世話になるのも心苦しいから、一人で生きていけるよう生計を持ちたいと。それが茶屋の手伝いにつながるらしい」
「ひとりでいきていく…」
舞にはそういった考えはなかったので内心驚く。
彼女はその見た目の愛らしさと性格の優しさから、武将達から愛され、守られる存在だったから。
「葉月さんて、すごいね…自分で生活できるようになりたいなんて、思うんだもの」
自嘲気味に舞は言うが、秀吉は言う。
「舞だって戦についていって、出来る事をしてくれてるだろう?
普段は針子の仕事もしているし、たいしたものだ」
「う…ん、それなら良いんだけど」
顔を曇らせたままの舞の表情が気になる秀吉だった。