第192章 三成と再会
「はい、ほら、いつまでもこんなところで再会を喜んでないで、一度こちらへ」
春の茶屋へ招かれ、二人ともそれもそうだ、と茶屋へ入った。
途中落としていたリュックを拾う葉月に、三成は不思議そうな表情を見せる。
「その妙な袋はなんですか?」
「これですか?未来の薬です。いっぱいいろんなもの、持ってきました」
「薬ですか?家康様が喜びそうですね」
三成が提案するものの、葉月は首を左右に振る。
「成分はこの時代には無いものばかりなので、復元は難しいと思います」
「あぁ…そうなのですね…」
残念がる三成と葉月の前に、春がことんと湯呑を置いた。
「石田様は走ってこられたから喉もお渇きでしょう。どうぞ」
「ありがとうございます」
春へ極上の笑みを見せると、三成は湯呑をすぐ手に取りごくりと茶を飲み干した。
「私のもどうぞ」
空になった湯呑を見て、葉月は自分の前に置かれた湯呑もずらして三成の前に移動させると、三成は嬉しそうに礼を言ってこちらもごくりと飲み干した。
「…それにしても…よく戻ってこられましたね…」
三成は感心したように言い、葉月は答える。
「はい…佐助さんと私の姉のおかげです…」