第2章 Necessarily
(……ええええええええ!?!?!?!?
な、なななななんで俺つばめちゃんとキ、キキキキキスして……!?)
菅原の動揺は女には伝わっていないようだ。
「くしゃみを止めるおまじない。じゃあ、また」
「え……あ、うん……?」
動けなくなった菅原などよそにつばめは自らが所属する教室へと向かう。
ドアの前で足を止める。
「蛍ちゃん、忠、おはよう」
ため息と眼鏡の奥が彼女へのあきれ具合を表している。端正な顔立ちをした男が女へバッカじゃないのと言葉をやる。
「おはよう、じゃないデショ。何でこんなに遅いの」
「そもそも何で二人がここにいるの?」
「今日つば子ちゃんいつにもまして来るの遅かったからツッキーが心配で様子見にって……」
眼鏡の男の表情がより呆れを表している。
ジトリと嫌な睨みを浮かべている。
「……はぁ、山口」
「あっ、ごめんツッキー! 内緒でって言ってたのに……」