第3章 Consciousness
帰り道、いつもよりも重い空気が流れる。
このままじゃいけないと山口が極力明るく声をかけた。
「体操部……今日遅かったんだね……」
「うん、練習長引いた」
山口はいつもと変わらないつばめの様子にほっとした。それからはすっかり調子を戻し、話を続ける。
「大会近いんだっけ?」
「うん」
「応援、行ってもいい?」
「来なくていいよ。練習あるんでしょ?」
「まぁそうなんだろうけど……いいじゃん、幼馴染みの大会って言えば大丈夫でしょ」
「菅原さんと」
それまで頑なに口を閉ざしていた月島が口を開いた。
「知り合いだったんだ?」