一泊二日温泉旅行に行ってみた【実l況l者/全l身l組】
第4章 pm 2:42
駅を出ると山々に囲まれた自然豊かな景色が広がる
所々から湯けむりが立ち上り、ここが温泉地だとわかる
駅周辺は旅館や土産物屋、ご当地スイーツなどを提供するカフェなどがあり、観光客で賑わっていた
「うっわぁー!景色すごいっ!!
ここって確か結構人気の温泉地だよね?
テレビで見たことあるかも!!
ね、ね、早く行こっ!」
声が高ぶり気分が上がってくる
見知らぬ土地への旅行、しかもレトさんとキヨくんが一緒にいる
絶対楽しいに決まってる!
「ははっ、はしゃいでるなぁ。レトさん先に旅館行くんでしょ?」
「ふふ、うんまぁとりあえずここから旅館まで歩いて近いみたいやし、先にチェックインして、この辺散策しよ?」
二人に笑われてしまった…
なんか私だけテンション高いみたい!気のせい?!
先程のレトさんの提案により、旅館までの道のりを歩く
中心地より少し離れた場所にあるその旅館は和の雰囲気が漂う老舗旅館。静かで落ち着いた空間が大人の隠れ家の様で贅沢感を醸し出す
中へ入ると数名の従業員が出迎えをしてくれる
「チェックインしてくるから、二人とも待ってて。」
レトさんが受付をしている間、私とキヨくんはロビーのソファへと腰を下ろした
「すごいね、この旅館。
こんなとこ福引で当たるなんてレトさん尊敬するなぁ。」
「ん、あーそうだね。」
「…どしたの?疲れてる?」
気の抜けた返事をするキヨくんに尋ねてみる
「…別にー。いや、なんか……あーなんでもない。」
何か言いたそうに口を噤むキヨくんが気になり、再度尋ねてみようとするが、丁度受付を済ませたレトさんが着物を来た若い女性と一緒にこちらへ戻ってきた
「お待たせー。
こちらは若女将さん。部屋まで案内してくれるんやって。」
「あ、お世話になりますっ!」
軽く挨拶を交わすと、私たちの荷物を軽々と持ち上げ、部屋まで案内してくれることとなった