《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第6章 名探偵は謎を解かない
私が公園で仮面の通り魔に襲われた、という話はすぐに上層部にまで伝わった。
当然、私も十四松さんも呼び出されて事情を聞かれた(十四松さんとの情事については、もちろん話さなかった)
通り魔が大胆不敵にも警察署の真ん前の公園に現れたことに皆驚いたようだった。
「ゆりちゃん、聞いたよ。昨日、通り魔に襲われたんだって? 大丈夫だった?」
聴取が終わり、捜査一課に戻ると、トド松先輩が心配そうに声をかけてきてくれた。
「はい。十四松さんが助けてくれたんです」
「また十四松さんか……」
トド松先輩が眉間に皺を寄せる。
「はい?」
「ううん。何でもない! でも、二人ともそんな遅い時間になんで公園なんかにいたの?」
「えぇっ!? あ、それは……えーっと……」
返答に困っていると、タイミングよくチョロ松警部が出勤してきた。
「二人ともおはよう。トド松くん、昨日頼んだ捜査資料は出来てる?」
「おはようございます、チョロ松警部。ちゃんと出来てますよっ」
さすが先輩、いつでも仕事が早い。
「うん、ありがとう」
チョロ松警部は、書類を受け取るとすぐに、立ったまま目を通し始めた。