《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
悪松記者は私の鞄を顎で指した。
「神松にクソみたいな手記を渡されただろう? どうだった? 読んでみて」
「どうだったと言われても……」
「どうせ読み終わってから、『これでいいのかな?』と思ったんだろう?」
「…………」
図星だ。
悪松記者は得意げに鼻を鳴らす。
「我々はこれでも取材のプロだ。聞かなくても分かる」
「はぁ、そうですか。あの、用件は何ですか? そろそろ帰りたいんですけど……」
ここで話していたら、いつまで経っても帰れないような気がする。
さっさと話を終わらせたほうがいい。
悪松記者は馬鹿にしたように笑い始めた。
「本当に帰っていいのか? 俺は神松とは根本が違う。あいつは正義を信じている。トド松警察官が逮捕されてよかったと思っているだろう。だが、俺は違う。なにせクソな部分を寄り集めてできたような人間だからな。クソみたいな犯罪者にも一筋の光が射してもいいんじゃないかと思っている」
一筋の光?
どういう意味?
「あの、ごめんなさい。おっしゃっている内容がうまく理解できなくて……」
瞬間、悪松記者が無理矢理ジャケットのポケットに手を突っ込んできた。
「あとで見るがいい! このクソみたいなメモを!」
「は?」