《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第26章 十四松END〜鑑識さんとわたし〜(※)
「はい! 市民の皆さん、こんにちはー! 赤塚警察署の交通安全教室にようこそ! 皆さんと一緒に交通安全を考える美人で優しい婦警アイドルトト子でーす!」
トト子警察官が全開のスマイルで呼びかける。
「そして、お手伝いしてくれるのは、どこにでもいる庶民の警察官AさんとBさんでーす!」
「Aです……」
「Bです……」
私と十四松さんは十数人の人たちの前でお辞儀をした。
「ねぇ、ゆりちゃん……なんで僕たち、名前伏せられてるの?」
聞こえないようにこそこそと話してくる十四松さん。
「さあ……なんででしょうね……」
トト子さんは気にする様子もなく、先に進める。
「はい。ではまず車に轢かれたらどうなるか実験してみましょう! 車に轢かれる役はAさんがやってくれまーす!」
「えっ……」
十四松さんが固まった。
「ちなみにこの後は自転車で車に突っ込んだらどうなるかの実験をBさんが体を張ってやってくれる予定でーす!」
「は……」
私も固まる。
「皆さんっ、交通事故は怖いですよねー! 安全に気をつけましょうね。トト子みたいな美人なポリスがいつも見張っていますよぉ! 違反するザコどもにはバンバン切符を切っちゃいまーす!」
トト子さんのご機嫌な声が警察署の駐車場に響いた。