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《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第24章 チョロ松END〜警部とわたし〜(※)


人、人、人……。

ライブハウスに詰め込まれた人々が、押し合いながらステージを眺めている。

こもった熱気。
額から汗が滲み出てくる。

『こちらステージ横、櫻井と中村。異常なし。そちらは?』
イヤホンから聞こえる捜査官の声。

私の隣にいたチョロ松警部が即座に応答する。

「こちらはステージ前、チョロ松と橋本。特に犯人らしき人物は見当たらない。他の地点、報告を頼む」

『こちらは入り口、神谷と福山。不審者はいない。どうぞ』

『こちらはステージ裏、小野と入野。問題はありません』

私とチョロ松警部は顔を見合わせた。

「警部、こんなにたくさん人がいるのでは、犯人なんて見つかりませんよ」

「そんなことは分かっているよ、ゆりくん。それでも見張る以外に方法はない。殺害予告が来ても、ライブは絶対に中止したくないと本人が言っているからね」

「そうですけど……」

「よく見るんだ。不審な動きをしている人物が必ずいるはずだ」

ライブ開始まであと3分。

私は視線を走らせる。

楽しそうに話しているカップル、サイリウムを持って準備万端のハッピを来た男性、一人ぽつんとライブ開始を待つ人、テンションが上がって大声で騒ぐ人、すでに疲れたのか座り込んでいる人……。

様々な人がいるが、誰が怪しいかなんて分からない。
強いて言えば、全員怪しい。


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