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《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第22章 おそ松END〜なごみ探偵とわたし〜(※)


雰囲気に呑まれて大切なことを忘れてはいけない。

私は腕を組んだ。
「だって、借金700万あるんですよね? 収入ないんですよね?」

おそ松さんは神妙な顔をする。
「そうだけど、愛は金じゃないだろ?」

「借金ある人が言っても、説得力ゼロなんですけど!?」

「タハハ〜! やっぱり? いやぁ、ゆりちゃん、さすが女刑事! しっかりしてるなぁ」

「おそ松さんがいい加減すぎるんです!」

どんなにカッコよくキメても、どんなにムードあるセックスをしても、結局最後は大声を出すハメになる。

たぶん、こんな関係がずっと続くんだろう。

でも、それも悪くないと思い始めている自分がいる。

「なぁ、ゆり」
おそ松さんが笑いながら、私を覗き込む。

「ん?」

「お前、今、和んじゃってるだろ?」

「わ、私が!? そんなわけ……」

ふわりとおそ松さんが私を抱き締める。
煙草の匂い。
温かい腕の中。

彼は笑う。
子供のような無邪気な笑顔で。

「なんで和むか教えてやろうか? だって、俺、『なごみ探偵』だから」

私も彼を抱き締め返す。

もう離れない。
ずっと一緒にいたい。

その下らない下ネタで、一生私を和ませてほしい。
私もあなたを和ませられるように頑張るから。

廃墟病院の真ん中で、私たちは幸せを噛み締める。

こんな彼と私が、絶海の孤島で難事件を解決し、怒涛の巻き返しで借金700万を返し、幸せな結婚式を挙げるのはもう少し先のこと。


そう、それはまた別のおはなし――。









―END―






【予告】
次はカラ松END 第23章へ






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