《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第22章 おそ松END〜なごみ探偵とわたし〜(※)
「もう捜査は終わりですよ。捜査員もみんな帰っちゃったし。おそ松さん、来るの遅いです」
おそ松さんは、口を尖らせる。
「え〜! 俺が遅いんじゃなくてみんな朝早すぎなんだよ! そんな早くに起きられるわけないだろ!?」
私は壁の時計を指差した。
「もう昼の12時ですけど」
「まだ昼の12時じゃん!」
「…………。とにかく、もう、話だけ聞いて帰りますから……」
「んじゃ、もういいよ! 俺、帰る!」
おそ松さんが車に乗り込み、バックを始める。
毎回どこかに突っ込んでるせいで、車は傷だらけだ。
私はおそ松さんの車が建物から離れるのを見守ると、隣の部屋にいる石油王に話を聞きに戻った。
石油王の話によると、バスルームで石油を浴びて戻った時には、もう宝石と絵画は盗まれていたらしい。
「とりあえず、鑑識の結果を待って、また来ますね」
石油王に挨拶をして、外に出る。
車の鍵を開けたところで、携帯が鳴った。
「橋本です」
『ゆりくんか? 今どこにいる?』
チョロ松警部だ。
「石油王さんの家を出るところです」
『ちょうどよかった。すぐ近くにある赤塚記念病院に向かってくれないか?』
「赤塚記念病院?」
赤塚記念病院って、確かもう……。
『ああ、あの病院は、すでに廃業して、廃墟になっている。不審な人物が廃墟に出入りしているという通報があったんだ。ついでに見てきてくれ』
「分かりました」
私は電話を切った。