《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第20章 謎はあの色で終わる
トド松先輩を逮捕してから、一週間後。
私は事件処理の書類を書きながら、顔を上げた。
さっきから目の前のデスクで騒いでいる迷惑な男がいる。
「聞いてよぉ、チョロさ〜ん! 今月、金なくてさぁ。パチンコも数回しか行けてないのぉ」
チョロ松警部のデスクにもたれながら、煙草をふかすあいつだ。
「おそ松くん、そんなに困ってるの? じゃあ、少し貸そうか?」
チョロ松警部が財布を出す。
私は慌てて警部を止めた。
「チョロ松警部! 貸しちゃダメです! おそ松さんの場合、貸してもすぐにパチンコに消えるだけですから! 自業自得だってちゃんと認識させないと!」
「でも、おそ松くんと喋ってると和むし……」
「それとこれとは別ですよ。警部はおそ松さんに甘すぎます!」
「分かったよ、ゆりくん」
チョロ松警部が苦笑いをしながら、財布をしまう。
途端におそ松さんが口を尖らせた。
「んだよ、チョロさんが貸してくれるって言ってるのに。いいじゃん!」
「よくないですよ! 警部はトト子さんに貢ぎすぎて、あまりお金ないんですから。あと、署内は禁煙です!」
おそ松さんが溜息をついて、煙草を消す。
「ったく、この間の事件で助けてあげたのに酷い扱い……」
「おそ松さん、罠にかかったきり、全然助けに来てくれなかったじゃないですか……」