《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第3章 紫の夜の秘めごと(※一松)
私は、一松さんをそっと引き剥がした。
「いつもこうやって女の子を部屋に連れ込んでるの……?」
「はぁ? 俺、そんなに器用じゃないよ。全然モテないって、見りゃ分かるでしょ……」
「だって……」
私はちらりとベッドの横の引き出しに目をやった。
だって、さっき慣れた手つきで取り出して付けていたでしょ?
「ああ、そういうこと……」
私の視線の先を確認し、一松さんは苦笑した。
「念のために持ってただけ」
本当に……?
「そんな睨まないでよ。本当だから。俺だって男だから興味はあるんだよ。機会なくても、イザという時のために持っていたいでしょ……」
そんなものなのかなあ……。
回らない頭でぼんやりと考えていると、一松さんが私の髪を優しく梳いて、おねだりをした。
「ゆり、もう1回したい……だめ……?」
撫でて欲しくて、ゴロンとお腹を見せる甘えん坊の猫みたい。
「今がイザという時なの?」
一松さんがフフッと笑った。
「そう……全然使ってないから、まだたくさんある」
「じゃあ、いっぱいできるね……」
答えながら、一松さんの手に自分の手を絡ませた。
「ゆり……」
甘く名前を呼ぶ声とは裏腹に、一松さんは荒々しく私をベッドに組み敷く。
静かに下りた夜の帳が熱い紫に染まっていく。
私たちは強く抱き締め合うと、足を絡め、再び激しく愛し合った。
***
《第3章で分かったこと》
・一松の部屋には、白い仮面が置いてあった
第4章へ続く――。