• テキストサイズ

《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第17章 淡い緑に癒やされて(※チョロ松)


午後9時。
シャワーを浴び終えた私は、髪を拭きながら、テレビをつけた。

扇風機のスイッチを入れ、冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを出し、ソファに座り込む。

テレビの中では、知らないお笑い芸人が暴れていてスタジオは笑いの渦に包まれていた。

私は水を飲みながらぼんやりと画面を見つめる。

この時間にテレビを見るなんて久しぶりだ。
すっかり世の流行に疎くなって、最近の芸能人の名前も全然分からない。

「暇だな……」
ぽつんと呟く。

孤独だ。

チャンネルを適当に変える。

『続報です。赤塚区赤塚警察署の警部、チョロ松被疑者が殺人容疑で逮捕された件について、本日、検察庁は正式に起訴する方針を固めました』

私は手を止めた。 

『これを受け、警視庁は、[先月末に起こった通り魔事件は、模倣犯による犯行の可能性が高い]との見解を示し、これまでの通り魔事件との関連性はないとの見方を……』

私は空になったペットボトルを勢い良く床に投げつけた。

勤務時間中に捜査現場で淫らな行為をしたということで、一週間の出勤停止を言い渡された私。

家の中で苛々とただ時間が過ぎるのを待ち、今日で五日が過ぎた。

私は、先日の洋館での捜査を思い返す。

チェーンソーを発見し、通り魔らしき男に会い、地下室に閉じ込められた。

地下室には誰かが監禁された跡があり、犯人はその証拠を全力で奪い返しに来た。

ただの模倣犯の犯行?

そんなわけはない。

このままでは仮面の通り魔は逮捕されないまま、チョロ松警部だけが罪を背負うことになってしまう。


/ 724ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp