第9章 新しい恋
颯太said
「じゃあ、明日ね。いっくん。」
「おぉ。気をつけろよー。」
今日は海堂が家に来るって言ってたから海堂と一緒に帰ることにした。
「あ!せんぱーい!」
下駄箱で海堂が壁に背を付けて立っていた。
いちいちかっこいいし、背高いからムカつく。
目立ちすぎ。
「……帰るぞ////」
「はい!」
海堂は俺の隣をずっと歩いていた。
会話が無い。
と言うか恋人同士で何話せばいいんだ?
初めての恋人だからわかんねぇよ。
「颯太先輩。もう恋人同士なんで『颯太さん』って呼んでいいですか?」
「構わねぇよ。てかいちいち聞くな、バカ////」
海堂の『颯太さん』って言葉が耳に残る。
何か恥ずかしいし。
初めて呼ばれたし。
「じゃあ、そうさせてもらいます!じゃあ、颯太さんも俺の事『海堂』じゃなくて『晃』って呼んでくれませんか?」
「はぁ!?!?無理無理!絶対やだ!お断り!////」
『晃』なんて……呼べねぇよ!!
恥ずかしすぎる!
「樹輝先輩の事は『いっくん』ってあだ名で呼んでるくせに……」
「いっくんはいいの!そもそもずっと好きだったんし!けどお前はまだ知って何日かだろ!?絶対無理だから!////」
「じゃあ、もう少し時間が経てば呼んでもらえるんですね(笑)」
「うっ……」
呼べねぇ気がする……
「颯太さん!手、繋ぎましょ!」
急に手を握られる。
「ふぁっ!?////」バシッ!
ビックリして叩いてしまった。
「何でですかー?恋人同士ですよ?」
「ご、ごめん!……急にだったから……ビックリして……////」
「あー……それは俺が悪いです。それはビックリしますよね(笑)」
今度はゆっくり手を繋いできた。
恋人繋ぎ……
この繋ぎ方がこんなに温かいなんて知らなかった。
心臓が爆発しそう。