第7章 伝えたい……でも伝わらない
樹輝side
「ヒカル……」
ドーン!
タイミングが悪く花火が上がる。
その音に驚いてヒカルはただ空を見上げた。
……ヒカルは俺に「大好き」だと言った。
それは俺の思ってる好きとは違うという事が分かった。
ヒカルの感情がそのまま俺にも伝わってきて、俺の求めていた好きと同じなんだとハッキリ分かった。
ヒカルが今まで伝えようとしていたことに気づけなかった自分が情けなく思う。
ふと見ると、ヒカルは花火を見たまま涙を流していた。
初めて見る花火に驚いたのか、それとも苦しくて泣いてるのか……
両方……か……
「ヒカル……」
俺は涙を流しているヒカルにキスをした。
今までにないくらい深く……長く……
俺だってヒカルの事がずっと好きでこうすることも我慢していた。
けどもういい。
「んっ……////」
「ヒカル……俺も……お前の事がずっと前から好きだ。こうやって、お前を独り占めしたくて我慢してた。けど……お前の気持ちを知った今、もう我慢なんてしない。」
小さいヒカルの体を強く抱きしめる。
この体、声、熱、存在……
全部独り占めできる。
俺はもう1度ヒカルに深くキスをする。
ヒカルも求めてきてお互いに愛を確かめるように唇を合わせていた。
花火なんてどうでもいい。
今はただヒカルと一緒にいたい。