第7章 伝えたい……でも伝わらない
樹輝side
「いっくーん、起きてー」
「う……まだ寝させてくれ。」
「だーめ、栄養取らないと!服もまだ制服のままじゃん!部屋着どこ?」
「あ!こっち!」
ヒカルが俺の部屋着がある場所を教える。
「はい、いっくんばんざーい!」
「……ばんざーい……」
颯太に言われるまま両手を上にあげる。
体がダルい今はただ頼るしか出来ない。
あっという間に部屋着……
コイツ……介護福祉士とか保育士とか向いてんじゃねぇの?
歌も上手いし……
「はい、ヒカル。後は任せた!」
「え、後はって……」
「俺は台所片付けるから。綺麗好きのいっくんに怒られちゃうよー。」
「え、えーと……」
ヒカルは何をしたらいいのか分からずあたふたしている。
ちょっといじめたくなる。
風邪のせいだ。
「ヒカル……あーん……」
「あーん?」
「食べさせて。」
「え!?えっと……////」
ヒカルはお粥をスプーンにすくって口元に運ぶ。
手が震えてる。
「あーん……////」
「ん……うん、美味しい。これヒカルが作ったのか?」
「ううん!ソウタが!」
「そっか……じゃあ、今度はお前が作ってくれ。」
「む、無理だよ!!////」
何か……いつもより可愛いな……
気のせいか?