第6章 この感情の答え
ヒカルside
何するんだろ……
てか、あんな事あったのに……よく来れたよね……
「はい、あんたはこれ切って。」
出されたのは包丁と……よく分からない野菜……
切る?
どうやって?
とりあえず包丁を持って、切ることにした。
ダンッ!
「はぁ!?!?あんた何やってんの?!」
「え……切った……」
「いやいや……それは切るじゃなくて刺す。もう……見てて。ヘタクソ……」
ムッ……今なんかイラってした。
けど……やっぱ上手……
悔しい……
「はい、やってみて。ゆっくりでいいから。」
「うん……」
あぁ……バラバラ……
「……まぁ……初めてにしては……よし、次!」
この人……そんなに悪い人じゃないかも……
「……あのさ……イツキの事……好きなんでしょ?」
「何今更……好きだよ。」
「……あんたにあげるよ……イツキもきっと好きだから。」
「あのさ!……俺は振られたの!思い出させないでよ!ムカつく!本当はここに来たくなかったけど、どうせこういう事だろうって思って来たの!」
振られた?
でもイツキは……
「いっくんはあんたの事大事に思ってるみたいだから……あんたもそうなんだろ?」
「うん……でもイツキは『お前の好きとは違う』って……」
「……それ、ちゃんと伝えた?自分がどんな気持ちか……たぶん、いっくんはヒカルの好きは恋とは違うって思ってるから。いっくんはヒカルのこと恋愛感情で好きって意味だから!」
え……?
本当なのかな……
「折角、俺が退いてあげたのに……また奪っちゃうよ?それが嫌なら早く伝えてよね……」
「……うん……」
伝えれるかな……
何か……ドキドキして上手く言えないかも……
「ほら!早くするよ!」
ボクはソウタの言うことにただ頷き聞くしかできなかった。