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そして今日も生きていく【R18】

第16章 それぞれの生きる道


月side

樹輝は僕に向かって、攻撃をし続けた。
体も傷だらけになり、歩けない状態になってきた。
いつもなら完全に治るはずの怪我も中途半端に治る。

「はぁ……樹輝……僕だよ。ヒカルだよ。」

樹輝の前に辿り着き、傷ついた部分を抑えながらも顔を見上げる。
抱き着いても樹輝は踠き、僕から離れようとした。

前はこれで治まったのに……
やっぱり……もう助けることは出来ないの?

「樹輝……思い出して……」

目からは自然と涙が流れ落ちた。

あの頃の……樹輝に戻って欲しい。

楽しい思い出が蘇ってくる。
僕は樹輝の目を見ながらキスをして、ペンダントを首にかけようと両手を上げた。

その瞬間、背中に激痛が走った。

樹輝の目は元に戻っていて、目を大きく開かせ驚いた表情をした。

よかった……いつもの樹輝だ……

一気に力が抜けたが、最後の力を振り絞ってペンダントを首にかけた。

「これで……もう大丈夫……ゴポッ!?」

樹輝の顔をしっかり見て笑った。
そして、口からは血が吐き出てきた。
背中の衝撃でその場に倒れてしまった。

背中には樹輝が最後に飛ばしてきた短い鉄柱が刺さっていた。
貫通寸前……
鉄柱はそこまで太いものでは無かった。

僕は思いっきりそれを引き抜いた。

「うぐっ!……あぁっ!……はぁ……はぁ……」

「ひか……る?」

樹輝がこれまでに無い絶望の顔をしていた。
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