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そして今日も生きていく【R18】

第3章 将樹


ヒカルside

イツキが出てから結構時間が経った。
……静かだ……

テレビを付けてみたけど……よくわかんないことばっかで……楽しくない……

イツキってこんな所に1人でいたのかな……

うぅ……トイレ行きたい……
トイレは確かこっちにあるって……

あった。

あ……鏡がある。

自分の姿を見た時、イツキの言葉を思い出した。

『短い方が……いい』

……短い……
切ったらイツキは喜んでくれるかな?

ハサミが目に入る。

気がつくとハサミはもう手の中にあって自分の前髪を切っていた。

「……っ!あれ?……どうしよ……切っちゃった……」

下に落ちた髪を見つめる。
こんなに長くなってたんだ。

もう1度鏡を向き直す……
そこには両目が見える自分の姿。
……こんなの人間じゃない……こんな目……

「やだ……死にたい……死にたい!!」

ボクは右手に持ったハサミを右目に突き刺した。
半分が真っ赤な血で染まって視界を隠す。

「うぅ……い……痛い……」

なんで……こんなに痛いのに……
死ねないの……
死なせてよ。

その後も何度も……何度も……気がついたら突き刺していた。

イツキが帰ってきたのにも気付かずに。
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