第14章 愛する者の為
樹輝side
「俺に何の用だ?」
「うーん……僕達に協力して欲しい。この世界を変える。僕達能力者を好き勝手使う人間を滅ぼす。君にも悪くない話のはずだよ?」
「どこがだ。」
「……あんたさ、ヒカルのこと好きなんでしょ?ヒカルがより生きやすい世の中になるんだよ?」
ヒカルが……生きやすい……
政府の奴らが居なくなれば……怯えながら過ごさなくていい。
この世の中が変われば……俺達は命を狙われない。
ヒカルが死にたいと思い始めた原因は政府のせいだ。
そして、能力者が実験体にされるのは戦争のせいだ。
そうか……この世界さえ無くなれば……1から作り直せば皆平和に暮らせる。
何で今まで気づかなかったんだ……
「ふふ……いい話でしょ?」
「わかった……協力する。ただし、約束がある。ヒカルを巻き込まないでくれ。手を出すな。」
「……いいよ。約束する。」
キングは俺の手を自由にした。
俺は愛する者の為にこの能力を使う。
この世界を変える。
そう決心した。