第13章 将来
樹輝side
今、俺の前で颯太が不機嫌な顔をして昼食を食べている。
美味そうな飯が不味そうに見えるな。
何かあったんだろう。
「ムカつく……」
「颯太……もっと美味しそうに食えよ。」
「無理!アイツが謝るまで無理!」
「……聞きたくねぇけど、一応聞くが……何があった?」
すると、少し嬉しそうな顔になる。
こいつ……女よりめんどくせぇな。
「昨日、晃が家に来たんだよ。そしたら、この火傷すぐ見つけて、いっくんが言ってたように『もう能力使うの禁止です!』とか言ってきて。」
「心配してくれてんだからいいだろ。」
「そうだけど!俺は使いたいから『お前には関係ない』って言ったんだよ!そしたら逆ギレして来て、『関係ない事ないです!恋人ですよ!?』って……俺の身体だから俺の自由だろ?」
「まぁ……お前の言いたいことは分かるけど……」
恋人同士の喧嘩かよ。
「だよね!?それでその後口聞いてないし、聞いてやる気もない!連絡もしない!晃が謝るまで絶対関わんない!」
何か海堂が可哀想に思えてきた。
恋人の体心配するのは俺にも分かる。
「……俺がもしお前の恋人なら俺も海堂と同じ意見だな。お前の言い分も分かるが身体を大事にして欲しいからな。早く仲直りしろよ。」
「う……いっくんまで……」
「ごちそうさま。……将樹の所行ってくる。」
「あ……俺も行く。」