第11章 つり合わない
颯太side
「颯太さん、どうして別れようなんて言ったんですか?」
ベッドに体をいれたまま2人で話していた。
俺は晃に背を向けていた。
「……つり合わないと思ったから。俺、能力者でお前は普通の人間。それに、俺は人殺してんだよ。このまま付き合ってればお前に迷惑かけるかもしれないって……お前まで巻き込んでしまうって思ったんだ。」
晃が後ろでため息をついて、抱きしめてきた。
「そんな事ないですよ。と言うかそんな覚悟を持って付き合ってたんで。俺も自分の身くらい自分で守れます。それも颯太さんは分かったはずです。だから……もう1度やり直しませんか?」
「うん……俺もやり直したい。お前と。」
俺は晃の方を向いて抱きしめた。
「そう言えば、どうしてあの時急に『晃』って下の名前で呼んでくれたんですか?(笑)」
「ど、どうでもいいだろ?!////」
「えー、知りたいですー!」
「やだ!」
……あ、あの後、どうなったんだろ?
聞くの忘れてた……
「なぁ、あの後どうなったんだ?敦くん。俺の動画は?」
晃は表情を変えた。
「颯太さんは心配しなくて大丈夫ですよ。俺が何とかしますから。」
「何とかってなんだよ。言えよ。これは俺の問題だ。」
「……ごめんなさい。俺のせいで……動画持ったまま逃げられました。」
……じゃあ、動画はいつ流れても……おかしくねぇのか……
やだ……そんなの……
2度と消えることが出来ないネット上に挙げられたら……
俺は……
「……心配いりません。俺がなんとかしますから。だから、もう今日は休んでください。泊まっていって大丈夫ですから。明日も学校は休みですし……」
「……」
「俺は今からあいつらの所行ってきます。おやすみなさい。」
「っ!待て!晃!うぐ!」
腰に激痛が走りベッドから落ちる。
行かせたら駄目だ。
今のアイツの目……
さっきと一緒だ……