第11章 つり合わない
晃side
「はい、ココア飲めます?」
「あぁ……ありがと……」
俺は体が温まるような飲み物をあげようとココアを渡した。
颯太さんは俺のベッドの上で布団に入り座っていた。
あの後、体を拭いてあげようとしたら颯太さんの中から大量の精液が出てきた。
かなり辛そうだった。
「……あったかい……」
「もう大丈夫ですか?」
「うん……あのさ……」
颯太さんがそう口を開いたけど「やっぱいい」と言って何も言わなくなった。
たぶん、俺の事だ。
そうだよな……秘密にしてたんだ。
「ごめんなさい、黙ってて。アイツらからもう聞いたと思いますけど……全部事実ですから。」
「写真……見たよ……ほんとに別人だな。」
「……まぁ、髪も黒くしましたし……ピアスも全部取りましたから。本当にごめんなさい。」
颯太さんは黙り込んでココアの入ったコップを机の上に置いた。
俯いたまま何も言わない……
やっぱ……怒ってるよな……
「お前さ……」
……
「お前さ俺に『どんな秘密があっても好き』って言っくれたよな。あのときは正直信じてなかったけどさ……」
俺の首に腕を回し抱きつかれる。
「今なら分かる気がするよ。俺もお前にあんな過去があるって知った今でも好きだもん。お前の事。」
「……颯太さん……こんな事したら俺何するか分かりませんよ?」
「……いいよ。なにすんの?」
あー!もう!!
俺は颯太さんを押し倒した。
やっと颯太さんの顔が見えた。
「……言わなくてもわかるでしょ?そんな事……」
……あれ……颯太さん……泣いてる?!
や、やっぱり……嫌なんじゃ……
「……冗談です」
「おね……が……い……」
?
「忘れるくらいに……メチャクチャに……して?////」
「!?!?」
「お願い……忘れさせて!そして、お前でいっぱいにして!////」
「颯太さん……流石にそれは……////」
「晃が欲しいんだ。好きだよ、晃////」
もう後悔しても知らない……
俺は颯太さんの唇に深くキスした。
もう、止まることは出来なかった。
俺も颯太さんの声、温もり、顔……全てがずっと忘れられなかったから。