第11章 つり合わない
颯太said
将樹くんとヒカルは先に部屋を出て、子供たちのところに向かった。
「あの、1つ聞きたいんですけど……いっくんのお父さんって結構強かったんですよね?簡単には亡くなることはなかったと思うんですけど。」
「樹輝のお父さんは防御能力を樹輝くんにかけたんだよ。彼を守るために。その所為で自分を守ることが出来なかったんだ。」
防御能力……
そう言えば俺がいっくんに近づけなかった時、バリアみたいなのがあった。
その事かな?
いっくんって両親にほんとに愛されてたんだ。
神父さんにお礼を言って部屋を出た。
狭い廊下を1人で歩く。
「っ!わっ!」
ドシーンッ!
「いてっ……」
何も無いのにつまづいて転けてしまった。
「だっさ。」
「むっ!」
誰かが見下ろしながら俺に向けて言ったその言葉にイラッとした。
確かにダサいけど!
見上げると先程外で見た男の子、ヒロくんだった。
ほんとにこの餓鬼ムカつく!!
「誰がダサいだ!!」
「あんただよ。」
即答し、何処か行ってしまった。
まだ小学だよな?
今どきの小学生ってあんなに生意気なのか?