第10章 ペンダント
颯太said
まだ4歳で……両親失くすとか……
俺だったら考えられない……
しかも目の前で殺されて……
「私はその家族とは少し関わりがあってね。たまに樹輝くんのお母さんと樹輝くんが教会に来てたんだ。その時に知り合ってね。樹輝くんの家の前を通りかかった時嫌な予感がして、中の様子を見に行ったんだ。それは本当に悲惨で……樹輝君だけが無傷で押し入れで蹲っていたんだ。その日から樹輝くんは感情をあまり表に出さなくなったんだよ。」
いっくんのお母さんとお父さんは自分の命を犠牲にして守ったんだ。
「樹輝くんの目は能力者の目になっていた。両親に強い感情を持ってしまったためお父さんの能力を受け継いだんだ。このペンダントはお母さんが握りしめていた物で、もともとお父さんが身につけていた物らしい。」
いっくんには引き継いだ能力が強すぎて身体が耐えれないらしい。
だから、ペンダントが割れてしまった今、寝たきりの状態なんだ。
早くどうにかして直さないと……
でもどうやって?
「これを持って行ってあげなさい。前にこんな事があっても大丈夫な様に作ってもらっておいたんだ。」
「作ってもらったって……」
「樹輝くんのお父さんの知り合いだよ。」
凄い……そこまで調べたんだ……
「今日はありがとうございました。これで樹輝も起きます。」
将樹くんがお礼を言う。
「君達、少し子供達と遊んでやってくれないか?お客様は久しぶりで子供達も気になっているようだから。もしかしたら、精神的にもいいかもしれない。」
今日はお世話になったし、お礼にと思って子供達と遊ぶことにした。
俺は子供嫌いじゃないし、将来は保育士とかそっち関係に就きたいと思ってるから色々学べるかもしれない。