第1章 1
「ネコ・・・・・・プッ」
「あっ!!笑った!!」
七海ちゃんは僕が描いたネコを見て、吹き出した。
「だ・・・って・・・youさん・・・これは・・・どう見ても・・・ネコじゃない・・・です・・・」
苦しそうに笑いながら、七海ちゃんは僕に言う。
僕は首を傾げだ。
「何がそんなにおかしいん?」
うーん、自信作だったんだけど・・・。
ひとしきり笑ってから、七海ちゃんは目尻の涙を拭い、またさっきと同じようにアルバムを両腕で抱えた。
「ありがとうございます、youさん。大切にしますね」
「うん、そうしてもらえたら僕も嬉しい」
「CDの感想は、20日に聴くまで待ってくださいね」
「ん、楽しみに待ってるよ」
「私も楽しみです」
そう言って七海ちゃんは、かかえたアルバムを見つめてから、ぎゅっと強く抱き、えへへと笑った。
───その笑顔を見たとき、僕の中に大きな満足感が溢れだした。