第18章 近過ぎたキミ③(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
『んんっ!早く食べよう?
私も朝ごはん抜いてきたから
お腹空いたー!』
緩みきった顔を元に戻そうと
不自然な咳払いと
無駄に明るい声に被る
「あれ?なに?
岩泉もオソロ??
なんで?」
花巻さんの声
私達のお弁当を指差している
『あ…』
お母さんの指示で…なんだけど…
言っちゃうのは…
「姫凪の差し入れ
良いだろー?超美味そうだろ?
マジサンキュな姫凪」
NGだよね?
珍しく幼い顔で笑う岩ちゃんを見ると
なんか言えなくて
『全然余裕!
岩ちゃんが喜んでくれて嬉しいよ!』
笑顔を返すと
一瞬シーンと静まる屋上
え?なんで??
「…お前…!
あんま可愛い事すんな…ボケ…!
お礼考えとけ
今度暇な時なんか奢ってやんよ」
『え?うん…ありがと…』
首を傾げて
また笑うと
「なによ?岩ちゃん姫凪ちゃんは
そんな感じ??
また合コン要員減る??」
花巻さんが大きな溜息を吐く
「はぁ!?なんでだよボケ!
俺は別に!変な噂立てんな!
姫凪にも迷惑かかるべや!」
『え?!私?!
私は…』
そこまで言った所で
ムニッと背中のお肉が摘まれる
「(だぁから煽ンのダメって〜)」
松川さんの声が
後頭部にボソッとぶつかる