第17章 近過ぎたキミ②(及川徹)⚠兄✕妹R18⚠
高い体温がオレの冷えた身体に
熱を吸い取られて
姫凪の目がユックリ
開いていく
『あれ?徹??』
腕の中に居た事に
戸惑いながらも
オレにしがみついたままの
姫凪
頭を撫でて
「おはよ?本当に熱あったんだってね
大丈夫?」
さり気なく探ってみる
すると
『うん、大した事ないよ?
あるとは思わなかったから
行く予定だったし
部活応援行きたかったなー……』
姫凪はいつも通りで
慌てる様子もなく
甘えた声で
オレに身体を寄せる
疚しい事がないのは分かるけど
「…そうだね
オレも見に来て欲しかったよ」
ダメだ…モヤモヤは
晴れない……
温もりは此処にあるのに
オレの知らない
姫凪が辛い
『徹?どうしたの?
部活疲れちゃった?
元気なくない?』
姫凪にしがみついた
オレの頭を小さな手が
行き来する
「ないよ。
充電させてよ、ね?」
この手もこの驚いた顔も
ピンクでぷっくりした
可愛い可愛い唇も
オレの…!