第74章 キミのトナリ オレのトナリ（及川徹）

必死に急く気持ちを抑えてらと

『焦らし作戦！？お仕置き！？
怒ってるの…？？』

顔の前に突き出してた手を
強く握って”イヤイヤ”と
首を振って俺を見つめる姫凪

別れたのはついさっきで
幼い頃から見慣れてる
姫凪の顔なのに

「…チョット！可愛い事しないでよ！
話なんかそっちのけで
抱き潰したくなる！！
俺の気持ちも姫凪の気持ちも
チャント伝えてから
伝わってから
抱きたいんだよ…俺は」

すっごいドキドキする！！
赤い顔を逸らそうとしたけど
それはもう遅く

『そういう顔しないでもらえる？
頭で納得しても
身体が納得してくれなくなる…
徹のバーカバーカ…』

姫凪の赤い唇が
俺の唇に噛み付いて来る

ヤバい…久々に撃ち抜かれた。
リアクションする気すら
根こそぎ削がれて
姫凪に見惚れるばかりだよ

『もう！何とか言ってよ！
黙られると超恥ずかしい！』