第74章 キミのトナリ オレのトナリ（及川徹）

不快感をあらわにする俺に
まっつんは大きくまた
溜息を吐き出し

「俺らが姫凪ちゃん
ビビらせたって言うけどさー
その前にお前が
キレて酷い事したから
怖さ倍増だったわけで
そもそも元カノと
デートなんかしてっから
拗れたんじゃねぇの〜？
そこんところ
どう思ってるわけ〜？」

グイッと俺に詰め寄ってきた

ぐぅの音も出ない
反論に声を失うと同時に
聞き捨てならない言葉が
頭で何度もリピートされる

デート？元カノと？
デート…？そんなのいつした？

「いや、それは…
うん、確にそうなんだけど
…って！元カノとデート！？
なにそれ！？」

誤解しかない言葉
否定しようとする声が

「サクラちゃんと
デートしてたっしょ？
姫凪ちゃんに
ウソまでついてさ～？
二股かけといて
俺ら責めるのお門違いじゃね？」

まっつんの声でかきけされてしまう

サクラとの事なんで知ってる？
とか、思うと同時に
もしかして姫凪も知ってるんじゃ、と
頭が真っ白になる