第74章 キミのトナリ オレのトナリ（及川徹）

俺のオーラに
圧されたのか
まっつんが帰ろうと
腰を上げるけど

「こんにゃろ！
大体お前が荒療治で行こうって
言うから上がり込むしか
なくなったのに
一人だけ空気読めます的な
発言しやがって！」

「荒療治って？」

返したくない事実ばっかり
発覚して

「だから
姫凪ちゃんにわざと
迫って…及川への気持ちを
再確認させる…俺らにも
結構得々な…って事を
したりしなかったり？」

「…へぇ？」

さらに空気を凍り付かせてしまう

「…つまり姫凪に
エッチな事してビビらせて
泣かしたって事でオーケー？」

俺の声にビクリと
二人の肩が揺れ
泣き顔の姫凪も
困った様に
俺達を見上げてる

「おぃ！早まるな、及川！
話そう！話せば分かるから！」

「…分かりたくないね、バーカ
姫凪を怖がらせただけで
滅殺案件だよ…」

チラリと姫凪を見ると
複雑な顔したまんま
何も言わずに黙ってる