第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
「姫凪ちゃん
昨日はゴメンな」
『全然。
男の人のカットは貴重だから
全然良いよ
それより、もう出て来て大丈夫なの?
風邪治るの早くない?』
「病院で注射打ったら
一発だって!
そんな心配してくれるとか
色々期待するんだけど…」
『いや、しないで。
私風邪引くと長引くから
移されたくないだけよ』
「なんだと!
姫凪ちゃんって
マジで塩対応な!!」
出勤して来たマッキーと
朝の雑用をこなしながら
雑談をする
『彼氏以外に
優しくする意味ないもーん』
「アキラくんには
優しくしてるみたいじゃん?
ハンドクリーム貰ったって
浮かれてたぜー?」
『それは、潰れた私を
運んでくれた御礼
しかもお客さんでしょうが。
ただ結局カットモデルの日も
遅くなったから
駅まで送ってくれ貰って
御礼が追いつかなくて困ってる』
溜息を吐き出しながら
アキラさんの名前を出すと
不機嫌な京治が頭に浮かぶ