第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
稀にある本気っぽいお誘いを躱すのも
上手くなって来たし
京治が心配する様な事は
全くと言っていい程なかった
だからこそ、いつまでも
不安そうな京治の態度が
悲しかったりもしたけど
最後は笑って抱き合って
満たし合えるから
喧嘩になったり
険悪になる事なんかなかったし
ヤキモチ妬きの京治は可愛いな、なんて
惚気ていられた
それがずっと続くと思ってた
『うそ…』
個人練習を終えて
京治に連絡しようと携帯を持ち上げると
まさかの光太郎からのLINE
[夜はイケメンナイト軍団で迎えに行くから
頑張って仕事しろよー]
軍団?光太郎だけじゃないよね、コレ。
クロとアイちゃんと研磨なら
なんとか二人きりになれるけど
木葉とか猿杙だと朝までマリパとか
ジェンガコースも有り得る…
『夜は京治とユックリ寝たいんだけどな…
いや、それは、ある意味寝かせて貰えないかも
…って!私のエッチ!』
携帯を眺めて百面相する私に
「彼氏とラブラブって
飲み会拒否の口実じゃなかったんだ
寝かせない彼氏とか青春~」
片付けを終えてバックルームに戻って来た
マッキーが揶揄いながら
声を掛けて来た