第71章 ♓最高のプレゼント(月島蛍)
世の中はクリスマスイブ
それでも烏野高校排球部には
そんなの関係なくて
遅くまで練習練習練習
まぁ、仕方ないんだけどさ?
これでも早く帰って来たんだよね
今日は姫凪がバイト終わり
僕の家に来て
待ってるって言ってたからさ
なのに
「…また来てる」
「おー!蛍、おかえり!」
なんで居るんだよバカアニキ
『蛍、おかえりなさぁい!
今日も部活おつかれさま!』
「…バイト、お疲れ。
無事に帰れたの?」
『うん!明光くんが
迎えに来てくれたのよ!
それでね、それでね…
ジャーン!見て!
こーんなデッカいケーキ!!』
姫凪が冷蔵庫から出したのは
カナリ豪華なクリスマスケーキ
真っ赤なイチゴが何とも美味しそうで
疲れた身体は喜んでるけど
嫌な予感しかしない
「…大き過ぎない?
今年は母さん達
旅行行くって言ってたのにさ」
「ん?あぁ、俺も食うもん
今日と明日
仕事も早く終わるからさ!
明日はチキン買って来ようか?」
ほら見たことか。
両親が居なくて
二人きりのイブとクリスマスだったのに
チャッカリ自分を
メンバーに入れちゃってるよ。