第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
「…適当な事すなよ
その為にも体力は残しときや
ほなな」
颯爽と去っていく北さん
体力残しとけ言われても
残せる気せぇへんやろ
やっとシッカリ交わった視線
やっと元通り繋がった気持ちに
浮かれまくって
目の前の姫凪(コイツ)の事しか
考えられんもん
その後聞いた昨日あった事件は
確かに強烈で
このまま有耶無耶にしたくないけど
お前が俺を必死で守ってくれたんやったら
それでヨシとせな、な。
ありがとうとゴメンを
混ぜ合わせたセックスは
初めて抱いた時と同じくらい気持ち良かった
もちろん、それで満足するなんて
やわな考えは持ちなや?
足らんよ、まだ全然。
もっともっと…お前が欲しいねん
「…まぁ、こんな所やろか…
な?あんまり大した事やないやろ?
弁当もチャント返したし…」
半裸で俺に抱き締められる
姫凪の耳に
話の終わりを告げる声を落とすと
『…私に連絡せんと
サクラと昨日電話してたんやね
頻繁に連絡してたみたいやし…』
え!?まさかの不機嫌モード!?