第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
思い出すねん
一番近くに居った
一番遠くに行ってもうた
アイツを
アイツと侑の空気を。
「エエやん。
サクラの分
角名に食わしたりや。
なんや知らんけどお礼する事
あんねやろ?」
サクラの分の弁当を
角名に押し付ける
「え?治くん?
でも…私も朝ご飯抜いて…」
「サクラには俺の分
食わせたる
俺が半分ことか
レアやで?嫌なん?
(足らん半分の代償は
きっちり貰うけど)」
コソッと耳打つと
一気に血が昇ったのか
真っ赤な顔が
潤んだ目が丸く見開かれて
俺に向き合う
うん、弁当半分の価値は
十分やろ